物流KPIとは

現在のビジネスの状態―企業目標の達成度―を示す指標を「KPI(=Key Performance Indicator)」といいます。ある目標を達成するためにどのような活動が必要なのかを検討し、特に重要なKeyとなる活動の達成度合いを測ることのできる指標です。

 

顧客が求める商品をタイムリーに必要な分だけ届ける、ということは物流において重要な目標です。その目標のためには物流管理が必要であり、社内システムがスムーズに動いているかどうかを判断するにはKPIという指標が役立ちます。また、この指標があることによりサービスの向上やコスト削減にもつながりますので、物流戦略を立てるためKPIを設定しておきましょう。

 

KPIの設定は、「コストと生産性」「品質やサービルレベル」「物流及び配送条件」の3つに分けて考えていきます。

 

①まず「コストと生産性」は、商品保管の効率、スタッフ一人当たりの生産性、数量当たりの物流コスト、人と物の実働率、そして日次収支などがあげられます。

 

②次に「品質やサービルレベル」こちらは、汚損や破損、誤出荷といったミス率、遅延・時間指定を逸脱したなどの割合、クレームの量、棚卸の差異、などがあります。

 

③そして「物流及び配送条件」は、出荷のキャンセル、出荷の遅れ件数、配送の頻度、納品にかかる時間、納品先でかかる作業時間、配送と納品の実施率、などがあります。

 

物流業界では最近特に、ドライバーの人手不足や燃料価格の高騰や、サービスの向上に関する課題など様々な問題があります。スタッフの長期雇用のためにも労働環境の見直しは常に必要とされますし、物流コストの削減は会社にとって避けられない取り組みです。KPIを設定することで、数値という根拠を持って結果と原因の分析ができ、経営効率化を図れるのは大きなメリットとなります。

 

設定には現時点で過剰な負荷がかからないこと、そして継続可能な数値であることが大切です。無理な数値を目標にするとせっかくの運用も破綻してしまいます。自社の問題点を可視化して改善していくという目的は大事なことですが、KPIを設定する際にコストがかかったり、困難であったりしては、運用自体に支障がでてきます。

 

また高すぎる設定は社員のモチベーションも上がりにくく、スタッフの理解度や温度差が生まれて全体の士気を下げかねません。データに基づいてスタッフの認識を統一し、意思疎通がしやすくなって業務をスムーズに効率よくこなすことで自然と業績は高まっていきます。KPIはちょくちょく変更するようなものではありませんが、見える目標数値で、ある程度簡単に設定できるということも重要です。

 

コストや運賃だけを追っていくと、業務の遂行能力やサービスの品質を見落としてしまう危険性があります。KPIは持続的に企業の運営状態を改善していくことができるためのツールでもあります。データを管理し必要に応じて提示することで、スタッフにも顧客にも自信と根拠を持って、自社の物流サービスの質の高さや魅力を伝えることができるでしょう。